大きな北国での小さな日常。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

緊張体制下での精神鍛錬

つぶやきでもちょこちょことボヤいてたのだけど
今日は急遽、細胞チーム実験のヘルプとして10匹のねずみちゃんから
それぞれ脳味噌を採取する「パフュージョン(Perfusion)」を行なう事に。

パフュージョンとは、訳すと「潅流(かんりゅう)」と言って
血管を通して臓器内に液体を注入する作業。
この場合注入される液体とは、最初に細胞状態を安定させる中性液(バッファー液)で
血液を排出させた後、細胞組織を防腐・固定処理するホルマリン液の2つ。
まず左心室に注入ポンプに繋がる注射針を刺した後、右心房をハサミでカット。
流れとしては、左心室→大動脈→(全身)→大静脈→右心房 で排出というわけ。
でも、最近は右心房をカットする前に肺の裏側にある下行大動脈(Descending Aorta)を
鉗子で止める手順を追加。
こうすれば、胸から上のみの流動サイクルになるので、時間短縮&溶液節約に。

このパフュージョン作業自体、何十回もやってるので手順はすでに憶えている。
とはいえ、過去にも何度か書いたことがあるように、私の所属は電気生理学チームであり
使う対象のねずみちゃんは基本、300g以上の成人サイズ。
対して、今回助っ人を頼まれた細胞チームが使用するねずみちゃんは
実験の関係上、生後1ヶ月未満のちびっ子サイズ。なので体重も100gちょっとしかない。
体重が少ないということは、臓器の大きさも当然小さい訳で、注射針を刺す深さなど
途中まで結構苦労してしまった。

また、私に頼んで来た女子院生ってなかなか口うるさい子でね。。。。。
自分の実験だから気になるのはすごくよくわかるんだけど
「大丈夫なの?」
「ちゃんと液が透明になったか見えてるの?(注:血液が完全に流れ出た証拠)」
「針、刺さり過ぎてない?」
などなど、真横でごちゃごちゃごちゃごちゃ。

私自身、コツを掴むまで下手なことは言えない・言わない性格なのと
ちょっと黙って欲しいなぁ。。。という意思表示も込めて、しばらく返事しなかったら

「ちゃんとこっちに喋ってよ!」

あぁぁぁ(苛立)

一番の懸念事項だったのは、針のサイズとその先端。
使っているのは病院でも使う注射針で、その先端は皮膚に突き刺しやすいように
斜めにカットされているのが一般的。
でもそれだとパフュージョンみたく、心臓に直接突き刺す場合には
突き刺し過ぎて角度によっては貫通してしまう可能性が大きくなる。
そんな事態を避けるために、電気生理チームでは先端が尖っていない(Blunt Needle)を
普段は使用しているのだけど、今日のねずみちゃんのように、心臓サイズが1センチほどしかないと
いつもの針だとサイズ(=針穴サイズ)が少々大き過ぎる。
針穴が大きいということは、液が流れる圧力が高くなるから
体内の血管が破裂してしまう可能性もこれまた高くなってしまう。

なので、まずはサイズの小さい通常の針を使用していたのだけど
実はこれだと、普段使ってる尖っていない針よりも長さが長い。
だから余計、こっちは刺せる限界の感覚を掴もうとしてるのに
その横で
「ねぇ、深く突き刺し過ぎてない?」と、横でわざわざ測りだす女子院生。

あぁぁぁぁ(苛立2)

女子院生の言う通り、針は必ず左心室内になければいけないのだけど
これが成人サイズなねずみちゃんの場合、左心室から直接大動脈に針を刺す技
(心臓と大動脈の境目は何故か透明なので、針先がしっかり見える)もあるから
角度さえあっていれば多少深く刺さっても大丈夫と思ってる私と
1ミリ動いただけでキャンキャン吠える女子院生との攻防(てか、黙り込んだ私)。

さすがに一日中でこの環境はキツい。と判断。
一か八かの勝負感覚で、実験の隙間時間に手術道具からワイヤーカッターを取り出して
先端を切って真っすぐに。本当は滑らかになるよう研磨したかったのだけど
時間がないから今回はパス。
女子院生は最初「えぇ?!」と、心配顔だったけど「これで大丈夫」と押し切り
パフュージョン再開。そして押し切りは無事に成功。よかった。
女子院生も後半は横でごちゃごちゃ言う事もなく、むしろ最後には「言い過ぎてごめんね」
こんな殊勝なことを言うなんて珍しいくらい、普段はかなり勝ち気な子なんで
一瞬びっくりしたけど、それでも自分としては7割の出来かなぁと、反省点がいっぱい。
所要時間としては、実験手術とほぼ同じな3時間だったのだけど
終わった途端ドッと疲れが出てしまって、早めに帰宅。
で、そのまま2時間ほど昼寝(てか夕寝)。そして起きてこれを書いてると。

実は明日も急遽決まったヘルプ作業があるのだけど、これは幸いにも仲良し兄ちゃんズの一人。
それも距離感といい仕事のペースといい、そういう意味ではラボ内では一番相性がいい兄ちゃん。
もちろん沈黙もお互いOKなので、今日よりは精神的に絶対に楽。

また明日は金曜日だしね。さっさと仕事を終わらせて、さっさと帰ろ。うん。

スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

やまざき

Author:やまざき
萌えに意味なんてなくてOK

カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
最近の記事
最近のコメント
Mail Form

名前:
メール:
本文:

リンク
月別アーカイブ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。