大きな北国での小さな日常。

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春はなんか優しくて残酷

私が所属してる研究所は大学付属であるため、うちのラボ含む各研究室には
修士課程・博士課程の生徒達も在籍しているが、ちょっと特殊な業務内容から
私が関わるのは殆どがポスドクと呼ばれる博士研究員達である。
研究の世界は基本個人商店みたいなものなので、個性の強い人達が多いが
それでも中には気の合う研究者達も見つかったりして、彼・彼女達との仕事は
まさに「阿吽の呼吸」で作業が進む。
しかしそんな気の合う研究者達ほど、次のステップへ進んでしまうことも多い。

ということで、昨日はラボ内でも1、2を争う優秀なポスドク兄さんの送別会。
優秀だけでなく人格者で、それでいてユーモアのセンスもあって
身のこなしもどこか優雅で、とにかく私の中では非の打ち所のない王子様的存在な人だった。
勿論、そんな完璧な王子様はとっくに人のモノ。。。。。奥様も明るくてチャーミングな人でさ
(羨ましーカップルだぜ。くーっ)と、心底から何度も思ったもんである。

とはいっても、王子様本人は決して八方美人なタイプではなく、むしろマイペースで飄々とした人。
喜怒哀楽もほとんど顔に出ない。だから彼の事を「取っ付きにくい人」と思ってるラボメンバーも多い。
では彼のどこが私にヒットしたのかと言えば、前述の彼が醸し出す雰囲気に加えて
とにかく「お互いの距離感がちょうどよかった」に尽きる。
私自身、昔から周囲とつるんでるようでつるんでない部分があって
むしろ「一人行動しないと死んでしまう」という逆ウサギ的性格を持ってるのだけど、彼もそんな感じ。
そういう根っ子の部分が似通ってるせいか、一緒に作業をする時はいつも二人のタイミングが合っていて
お互いがお互いを「一番やりやすい相手」だと感じてたように思う。

加えてさりげない優しさを持ってる人でもあって、それも「やっとくよ」ではなく
「やっておいたよ」と、私の知らないうちに私へのトラブル回避やフォローをやってくれていて
何度も、本当に何度も救われた。

一番胸に染みたのは、父親の訃報で急遽日本へ帰国した際にお悔やみと私の家族を気遣うメールを
最初に送ってくれたこと。亡くなる年の春に父親のことを話してたので
ある程度のこちらの状況は把握していた筈だが、特にその後の容態を聞いてこなかったにも関わらず。
なのにアクションは一番早かった。(相変わらずやることがさりげなさすぎる)と、貰ったメールに咽び泣き。
ちなみに彼を含むラボメンバーの殆どは北米神経学会(SfN)に出席中だったので
帰国の理由を直接話したのは秘書さんのみ。その秘書さんが「やまざきはしばらく留守にします」と
全員に送った特定理由なしの連絡メールで「ピンときた」と、日本から戻った後に本人から聞いた。

見てないようで見ている。そしてここぞという絶妙のタイミングで手を差し出してくれる。
こういう人間になりたいな。ならなきゃな。

ちなみにメンバーの何人かは私が遊び休暇を取ったと思ってたみたいなので
(思いやりと想像力は正比例するのね)ということも知ったけど。

そんな深い慈愛に溢れた、一見クールな王子様は次なるステージへ進んでしまった。
今朝、鍵のかかった彼のオフィスのドアを見て(行っちゃったんだなぁ)と
切ない気持ちになってしまったのはここだけの話。そういう私も去る日が近いんだけどさ。

博士号を取得し、ポスドクという身分になって晴れて「研究者」と名乗れるが
そのポスドクの身分は決して安定していない。
案外、ラボテクなどスタッフの方が雇用条件がよかったりするし。
またポスドク期間が長過ぎると、却ってステップアップの足枷になるという現実もある。
だから入れ替わりがとても激しい。出会って去って、また新しい人が入っての新陳代謝の繰り返し。
今度の職場でも同じ経験をきっと何度もすることになるだろう。

それでもポジティブに考えれば世界中に元同僚達が、知り合いがいることになる。
それも皆、それぞれの母国ではエリート階級ばかりの。
そんな彼・彼女達にとって「昔いたラボで面白い日本人がいたんだよー」なんて
いつか遠い先の未来に、私の事を思い出してくれたらとても嬉しいな。

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